循環器と漢方

脳梗塞と漢方

脳梗塞とは、脳血流障害によって、脳に不可逆的変化がおこる病気です。
脳梗塞はその成因により、主に脳血栓、脳塞栓、その他の原因によるもの、原因不明のものに分けられます。
その中で一番多い原因は脳血栓によるものです。

脳血栓症では前駆症状として、一過性の脳虚血発作が良くみられます。
片麻痺や片側の感覚異常、失語、失認、失明などの症状が睡眠中や起床後におこり、発作の持続時間は2~3分程度が多く、ほとんどが1時間以内です。

病状は、改善と急な悪化を交互に繰り返しながら、徐々に悪化していきます。
脳塞栓症では、前駆症状はほとんど無く、症状の発現は急速におこります。

脳梗塞の西洋医学での治療は、急性期には血栓溶解剤や抗血小板薬、脳圧降下剤やワーファリンなどを使います。慢性期には、発作予防で降圧剤や抗血小板薬など使います。また、運動麻痺や失語などの脳梗塞後遺症に対してはリハビリテーションを行います。

脳梗塞の予防と脳梗塞後遺症の漢方治療

脳梗塞の発作時は西洋医学での治療が優先されますので、漢方での治療は脳梗塞後遺症や予防が適応になります。

漢方では主に、その方の体質にあった血液の流れを良くする漢方薬などを使って治療します。
一般的な漢方薬の例としては、補陽還五湯や続命湯、冠元顆粒、疎経活血湯、釣藤散、抑肝散などがあります。